2026.06.19
「月収30万円」その求人、怪しくなっていませんか?
最近、都市部を中心に、歯科衛生士の求人の給与が大きく上がっています。
新卒で月給28万円以上、既卒で月給30万円以上。
医院によっては、それ以上の給与を提示している求人も珍しくありません。
弊社にご相談いただく先生方からも、
「衛生士の給与を35万円まで上げたのに、応募が来ません」
「周りの医院に合わせて給与を上げたのに、反応が変わりません」

というお話をよく聞くようになりました。
もちろん、給与は求職者にとって大切な条件です。
しかし、ここで見落としがちなことがあります。
それは、高すぎる給与が、逆に求人を“怪しく”見せてしまっている可能性があるということです。
「月給30万円」の根拠が見えない求人は不安になる
求職者は、単純に高い給与を見て「嬉しい」と思うだけではありません。
特に衛生士さんは、求人を見ながらこのように感じることがあります。
「なぜこんなに高いの?」
「何か大変なことをさせられるのでは?」
「ノルマがあるのかな?」
「人がすぐ辞める医院なのかな?」
「給与は高いけど、実際は残業や業務量が多いのでは?」

つまり、給与が高いこと自体が魅力になる一方で、
その理由が書かれていないと、不安材料にもなってしまうのです。
例えば・・・
- 「月給30万円以上」とだけ書いてある給与の内訳が曖昧
- 残業代の支給方法の記載が曖昧
- 仕事内容やメンテナンスの特徴が書かれていない
このような求人は、求職者から見ると「本当に大丈夫かな?」と感じられやすくなります。
高給与求人ほど「何をするのか」を丁寧に書くべき
月給30万円、35万円という金額を見ると、求職者は無意識にこう考えます。
「かなり忙しいのでは?」 「ノルマがあるのでは?」 「厳しい職場なのでは?」
医院側としては、単に「良い人材に来てほしい」「相場に合わせた」だけかもしれません。
しかし、求人票の中でそれが伝わっていなければ、求職者は不安を感じて応募を避けてしまいます。
だからこそ、高い給与を出す場合ほど、次のような情報をしっかり書く必要があります。
✔どのようなメンテナンスを行っているのか
✔担当制なのか、アポイント時間はどれくらいか
✔ノルマの有無
✔教育体制やフォロー体制
✔スタッフの年齢層や雰囲気
✔実際に働いている衛生士の声
✔残業や休日の実態

給与だけを前面に出すのではなく、
その給与で働くイメージが湧く内容にすることが大切です。
高給与よりも「納得感」が応募につながる
今の求職者は、条件だけで応募を決めているわけではありません。
給与が高くても、職場の雰囲気が見えなければ不安になります。
仕事内容が分からなければ、自分にできるか判断できません。
教育体制が見えなければ、経験が浅い人ほど応募しづらくなります。
逆に、給与が周辺相場と同程度であっても、
「メンテナンスは45分〜60分」
「担当制で患者様とじっくり向き合える」
「新卒・経験の浅い方には先輩衛生士が丁寧に指導」
「スタッフの年齢層は20代〜40代で、子育て中のスタッフも在籍」
「ノルマなし、無理な自費提案なし」

といった実際の業務内容がしっかり書かれていれば、求職者は安心して応募しやすくなります。
大切なのは、給与の高さではなく、
その給与に納得できる求人内容になっているかです。
まとめ
給与を上げることは、採用対策として間違いではありません。
ただし、給与だけが高く見える求人は、求職者にとって魅力ではなく、「何か裏があるのでは?」という不安につながることがあります。
これからの衛生士採用では、高給与を打ち出すこと以上に、求職者が安心して応募できる求人内容に整えることが重要です。
給与、メンテナンスの特徴、スタッフの雰囲気、教育体制、働き方。
これらをきちんと伝えることで、求人の“胡散臭さ”はなくなり、医院の魅力が正しく伝わるようになります。
著者プロフィール
株式会社グランジュテ
代表取締役 伊藤 祐子
シンガポール航空客室乗務員を経て、大規模医療法人の立ち上げ・組織構築に10年以上携わる。自費率7割の歯科医院体制を構築し、人材採用・組織づくりの実践経験をもとに、現在は歯科医院専門の採用支援を行う。2014年の創業以来、800医院以上の採用代行をサポート。

