2026.11.02
歯科衛生士の「職場選びの本音」とは?240件に上るアンケート回答から考える採用と定着
「求人を出しても、なかなか応募につながらない」「見学には来てもらえるのに、入職に結びつかない」
歯科医院の採用を支援するなかで、こうしたご相談をいただきます。

採用活動を考える際、給与や休日などの条件を確認することは欠かせません。一方で、歯科衛生士の皆さんは、どのように情報を集め、何を見て就職先を選んでいるのでしょうか。
弊社では、歯科衛生士の皆さまを対象に、就職活動や職場選びに関するアンケート調査を実施しました。
多くの医院さまにご協力いただき、240件に上る回答が寄せられました。
今回は、その回答から見えてきた気づきの一部をご紹介します。
求職者によって、知りたい情報は異なる
今回の調査では、新卒・既卒などの背景によって、活用する情報源や、求人で知りたい内容に違いが見られました。
初めて就職する方と、これまでの経験を踏まえて転職を考える方とでは、不安に感じることも、次の職場に期待することも異なります。
同じ医院の求人でも、誰に伝えたいのかによって、届きやすい情報や伝え方は変わります。 医院の魅力を並べるだけでなく、求職者の立場から内容を見直すことが大切だと感じました。
「入職後の自分」を想像できることが安心につながる
回答からは、教育体制や診療環境など、入職後の働き方を具体的に知りたいという関心もうかがえました。
「教育体制が充実しています」「働きやすい職場です」という言葉だけでは、実際の様子までは伝わりにくいものです。
どのように仕事を覚えていくのか。どのような環境で患者さまと向き合えるのか。医院にとっては日常のことでも、求職者にとっては、安心して一歩を踏み出すための大切な情報になります。給与や休日に加え、働く姿がイメージできることも、医院を選ぶ判断材料になっています。

求人票の外でも、医院の印象はつくられている
SNSで伝わる雰囲気や、見学時の対応も、求職者が医院を判断する材料になっていました。
SNSについては、応募や見学への気持ちが高まったという回答もあれば、見送る判断につながったという回答もありました。
大切なのは、単に楽しそうに見せることではなく、その医院らしい雰囲気が伝わり、求職者が「自分に合いそうか」を考えられることではないでしょうか。
また、生成AIに求人について相談したという回答も見られました。求職者が医院を知る接点は、求人媒体だけに限らないことも意識しておきたい点です。

応募を集めるだけでなく、入職後の納得感まで
自由記述には、就職活動中に知りたかったことや、入職後に感じたギャップなど、率直な声も寄せられました。
採用活動は、応募を集めて終わりではありません。入職前に伝えていた内容と、実際の働き方がつながっていることは、安心して働き続けられる職場づくりを考えるうえでも大切です。
今回寄せられた声を、求人の伝え方だけでなく、見学・選考の対応や、入職後の受け入れを考える際にも活かしていきたいと考えています。

アンケートにご回答くださった歯科衛生士の皆さま、ご協力いただいた医院の皆さまに、心より御礼申し上げます。
弊社では、これからも現場の声に耳を傾けながら、それぞれの医院さまに合った採用支援に取り組んでまいります。
著者プロフィール
株式会社グランジュテ
シニアコンサルタント 森本朋実
神戸大学卒業。キャリアコンサルタント(国家資格)
医院様には成長に寄与する人材を、求職者様には幸せな職場環境を見つける支援を。
全国200医院以上の採用支援に携わった経験をもとに、多角的な視点で付加価値のある採用アドバイスを行います。
講演・取材実績:東京医科歯科大学、日本歯科新聞社 等

